ライブドアニュースの中立性と寡占

http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1646720/detail

当社は、ポータルサイトlivedoor」の中核サービスとして、ウェブ上でニュースを配信する「livedoor ニュース」を運営しております。経営から、編集権の独立したニュース組織を持つメディアとして、今回の強制捜査についても、当社にとってのマイナス情報も含め、様々なニュースソースから、日々刻々と配信されてくる記事を掲載してまいります。また、ユーザーの皆様の強い関心に応え、より充実した情報提供を行うべく、今回の強制捜査に関連した特集を立ち上げることにいたしました。

ライブドア、最大の危機にもかかわらず、ニュースは「中立性」を保っていることが世間の評判(っていっても一部だけど)になっている気がしている。「ホリエモン、頑張れ」って。私はそこに違和感が感じる。ただ合理的な選択をしているだけではないのかって。ガ島通信なんかでも。
http://d.hatena.ne.jp/gatonews/20060119/1137689984#tb

この方針発表については、ネット上で懐疑的な見方もあるようですが、私は評価したいと思います(今のところです。とにかく、分からないことが多すぎるし、事態も流動的なので最終評価はもっと先になるでしょう)。自分のことや、自社ついてさまざまなことが書かれているときに、社長が『ニュースは独立』と宣言するのは、既存メディアでもなかなかありません。逆に、皆さんもよくご存知と思いますが、自社の問題や不祥事は出来る限り小さく扱う(新聞ならベタ、テレビなら番組の最後のほうに紹介するなど)、それどころか露骨な統制を行うような会社もあります。

でも、単に否定的なニュースが配信されても、ライブドアは報道するってだけのような気がする。ライブドアニュース部門が配信した情報で、あまり否定なニュースが流れてはまだ無いと思う。ニュース部門というか記者たちがどれだけ自社の情報を流せるのか、そこが最大のポイントだ。ライブドアが強力な報道部門を持っていたら、反応は違うような気がするのだ。既存メディア、特に新聞社と、ポータルのおまけニュース部門では取材力が違いすぎる。堀江社長が「ニュース」は独立っていう裏には「ニュース部門には何か隠していても真実を見つける力は無いでしょう」といっているだけかもしれない。
あとは既存メディアに対してもクラブでの「発表ジャーナリズム」としか感じていないことの表れかも。単に報告するだけで調査能力はないと見ているだけで。

それに、新聞のように一紙しか取らない、テレビだって数社しかない。今のメディア環境っていうのは媒体ごとでは寡占状況なのである。違う新聞を購読するという精神的なスイッチングコストは高いし、テレビだって系列は5つしかないのだ。自社にとって不都合な情報を流さないほうがメリットがあるのだ。

ただ、ネットではソースが多くて、競争状態ができていると思う。乗り換えのスイッチコストも小さい。正直否定的な情報が流れないとなると、ブログなんかも含めて、他の媒体に即座に人は逃げていってしまうだろう。そのためには否定的な情報も流さなければならない。ライブドアを支えているのは「時価総額」だといっているが、もう一つ支えているのはこれまで騒ぎを起こして築き上げてきた「ページビュー」だという事実を忘れてはいけない。